泣いた赤鬼~妄想バージョン~①

以下あらすじ
とある山の中に、一人の赤鬼が住んでいた。赤鬼はずっと人間と仲良くなりたいと思っていた。
そこで、「心のやさしい鬼のうちです。どなたでもおいでください。おいしいお菓子がございます。お茶も沸かしてございます」という立て札を書き、家の前に立てておいた。
しかし、人間たちは疑い、誰一人として赤鬼の家に遊びに来ることはなかった。赤鬼は非常に悲しみ、信用してもらえないことを悔しがり、終いには腹を立て、せっかく立てた立て札を引き抜いてしまった。
一人悲しみに暮れていた頃、友達の青鬼が赤鬼の元を訪れる。赤鬼の話を聞いた青鬼はあることを考えた。それは、「青鬼が人間の村へ出かけて大暴れをする。そこへ赤鬼が出てきて、青鬼をこらしめる。そうすれば人間たちにも赤鬼がやさしい鬼だということがわかるだろう」という策であった。
しかし、これでは青鬼に申し訳ないと思う赤鬼だったが、青鬼は強引に赤鬼を連れ、人間達が住む村へと向かうのだった。そしてついに作戦は実行された。青鬼が村の子供達を襲い、赤鬼が懸命に防ぎ助ける。作戦は成功し、おかげで赤鬼は人間と仲良くなり、村人達は赤鬼の家に遊びに来るようになった。
人間の友達が出来た赤鬼は毎日毎日遊び続け、充実した毎日を送る。
だが、赤鬼には一つ気になることがあった。それは、親友である青鬼があれから一度も遊びに来ないことであった。
今村人と仲良く暮らせているのは青鬼のおかげであるので、赤鬼は近況報告もかねて青鬼の家を訪ねることにした。しかし、青鬼の家の戸は固く締まっており、戸の脇に貼り紙が貼ってあった。
それは「赤鬼くん、人間たちと仲良くして、楽しく暮らしてください。もし、ぼくが、このまま君と付き合っていると、君も悪い鬼だと思われるかもしれません。それで、ぼくは、旅に出るけれども、いつまでも君を忘れません。さようなら、体を大事にしてください。ぼくはどこまでも君の友達です」という青鬼からの置手紙であった。
赤鬼は黙ってそれを2度も3度も読み上げ、涙を流した。

以上Wikipediaより

~以下ドドコ妄想~

「人間と仲良くなりたい」と打ち明けてきた赤鬼を見て、ばっかじゃねーの。まじ殺してやろうかな。と青鬼は思った。
思いながらあほのような赤い顔を見て、「そうなんだね」と優しく言った。
俺とは仲良くなりたくないのかよ。誰だよ、人間って。

俺は赤鬼が好きだ。赤鬼は同性だが、性愛の対象として好きだ。
赤鬼に言うつもりはない。言っても理解できないだろう。
俺は基本的には異性である女に欲情するし、女と恋をする。男と交わったこともない。
しかし今、赤鬼に対するこの烈しい感情が恋愛なのであれば、俺は異性とは恋愛をしたことがないのかもしれない、とすら思う。

俺たち「鬼」の仕事は近年規制が厳しくなり、みんな限られた条件下でしか動けない。
1年以上も会っていない赤鬼にどうしても会いたくなって、諸々調整の上でやっと今日ここまで来て、会うことができた。それなのに。

「人間と仲良くなりたい(´;ω;`)」

俺が良い友達だったなら、多分こう答えたのだろう。
「馬鹿かお前。俺らは鬼だ。人間を苦しめて、恨み憎しみを育てるのが仕事だ。戦地の軍人が『敵兵とお茶したい(´;ω;`)』って、思っても言わねえだろ」

しかし俺はそうは答えない。俺は良い友達ではないし、こいつはあほだからだ。
俺は悲しい。こうまで惚れている相手が、話が通じないほどのあほであるという事実が悲しい。それでもそのあほに好かれる返答は何だろうかと考えている自分が、また惨めで悲しい。

俺は、俺が悪者になるから、お前は「人間側」の鬼だとアピールしろとアドバイスした。
もちろん、そんなことをしても人間の友達などできない。せいぜい、キモかわいい珍獣として注目を浴びるくらいだろう。でも、多分こいつは「友達ができた」と思うのだろう。

しかし、これでは青鬼に申し訳ないと思う赤鬼だったが、青鬼は強引に赤鬼を連れ、人間達が住む村へと向かうのだった。そしてついに作戦は実行された。青鬼が村の子供達を襲い、赤鬼が懸命に防ぎ助ける。作戦は成功し、おかげで赤鬼は人間と仲良くなり、村人達は赤鬼の家に遊びに来るようになった。
人間の友達が出来た赤鬼は毎日毎日遊び続け、充実した毎日を送る。

ドドコの鬼武者修行

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